1. TOP
  2. JOURNAL
  3. INTERVIEW with GRAVER METAL WORKS

JOURNAL

2022.05.17

INTERVIEW with GRAVER METAL WORKS

INTERVIEW with GRAVER METAL WORKS
この度5月13日にリリースされた、シルバーネックレス。このコラボレーションに協力してくれたインディアンジュエリーブランド“GRAVER METAL WORKS”を手掛ける滝沢氏に、お話を聞くことができました。
── ブランドを始めたのはいつからですか?

「7年くらい前ですかね、GRAVER METAL WORKSを始めました。」


── 以前からモノ作りをしていたのですか?

「元々オートバイが好きで、整備だったり溶接だったりを覚えるようになって、その頃から漠然と何かを作りたいなと思ってました。その頃小さい洋服屋さんをやっていて、その店の奥で空いた時間にシルバーアクセサリーを作り始めたのがきっかけです。ハーレーに乗ってたんですけど、自分の周りのバイク仲間がインディアンジュエリーを付けてて、自分でも作ってみたいと思ったんですけど、やるからにはちゃんと勉強してから作りたいなと思って、5~6年前にインディアンに会いに行き始めて、っていう流れです。それでインディアンモチーフも作り始めたって感じですね。」
── どのようにインディアンに会いに行ったのですか?

「もう30年ずっとスー族の儀式をしている日本人の方がいて、その人が日本でもスウェット・ロッジっていうのをやってて。スウェット・ロッジっていうのは、ドーム型のテントの中に焼けた石を運び込んで、水をかけてスチームサウナみたいな状態を作るんですね、それで、その中で歌を歌って祈る、というインディアンの儀式の一つなんですけど、その人がアメリカのインディアンのところにつてがあるから、行ってみろよって。それで、そこに毎年行っていて。」


── スー族の人と交流していて、何が1番印象的でしたか?

時間の感覚がまず違うってのが大きい。だから、僕なんかの考えで「こうじゃないか」って言ったりすることが、もう少し先のことまで考えてる気がいつもしちゃって。意見が噛み合わないことがある気がするんだけど、やっぱりもうちょっと自分の中で考えてくと、「あ、やっぱりあの人の言った事って、そうなんだな。」って。その時間の感覚の捉え方がまず違うってのがすごい、自分でもそこは悩むとこで、そのインディアン的な暮らしっていうのは、そもそもあんまり時間ってのがなくて、インディアンタイムっていうくらいであんまり何も誰も守らない。笑 インディアン的な時の流れで生きてくってのが現代においても自分の中でも難しいところがあるなって思ってまして。


── インディアンの方は、何年単位という長い感覚で物事を考えて話しているってことなんですね。それを感じた具体的な事ってありますか?

「僕がいつも思うのは、例えば、“みんな争いなく、仲良くなれるよ”って言ったことを、スー族の人たちは本気でやろうと思ってるって気がするんですよね。僕自身は、そんなこと言ったって、日々生きていく中で戦わなきゃいけないこともあるし、みんながみんな友達みたいに出来ないと思っても、スー族の人の日々や考え方を見てると、もっと大きく考えているなって。戦争の話もそうで。7世代後の事を考えて行動をしろって言われていて、それを本当にやろうとしているなって感じます。」
── スー族の人は、サウスダコタだけにいるんですか?

「サウスダコタに多くいて、その中のリザベーション(居留地)で暮らしています。ただそこから出て、都会に行って仕事する人もいるし、僕も最初は違和感あったんですけど、例えば僕が好きなクアンナ・チェイシングホースっていう人、この人もインディアンなんですよ。でもCHANELのモデルもやってて。ちゃんと伝統的な儀式なんかも全部しっかりやってて、きっとすごくタイトな時間で動いているんだろうなって思うと、すごいなーと。だから、そんな上手なハイブリット感ができたらいいなって思うんですよね。」


── スー族の方は日常的にインディアンジュエリーを付けているのですか?

ナバホ族は彫金がすごい有名で、それで生計立てていたり、部族の代表作がいっぱいあるんですけど、スー族はクイルワークっていうすごい昔からの伝統工芸があります。ヤマアラシの棘を潰して染色して、1個ずつ縫い付けていく・・・すごい時間がかかるんです。


── そもそも手作業という概念しかないんですね!

「そうですね、はい。」
スー族の伝統工芸品であるクイルワーク。交友のあるインディアンの奥さんに作ってもらったものだそう。
インディアンのストリートアーティストが手がけた作品(写真真中)。その下はクアンナ・チェイシングホースのポストカード。
── 滝沢さんのお気に入りのモチーフはありますか?

「(付けてるネックレスを見て)PRAYING FANって呼んでるんですけど、これが気に入っています。イーグルの羽を扇のように、翼そのものみたいにして、それをセレモニーで使うんですけど、スウェット・ロッジをやってる僕の先生みたいな日本人が、アメリカにいる偉大なスー族のチーフから譲り受けたファン(羽)があって、それを持って祈ったり、心から出る言葉を喋るんですけど、その時にそのファンを持って喋ったら、すごく馴染みがあるんで。
一枚目 滝沢氏がいつも身につけているPRAYING FANをかたどったインディアンジュエリー。
二枚目・三枚目 滝沢氏が所有するインディアンジュエリーの数々。
── DENHAMとの出会いについて

DENHAM代表の根岸さんがイーグルをつけてくれて、他のスタッフの方たちも愛用してくれていて、それからですね。


── 制作について、実際どのように作るのですか?

最初は、四角い銀の板を蝋付して厚みを出していって、直方体の状態からハサミの形を出して全部削っていくんです。今まで数をたくさん作った事なかったんで、例えば革紐にビーズを通すっていうだけでも、もうひたすら通してても1日かかるんで・・・。でも、ほんとこんな事ないじゃないですか、ありがたいです。
磨いて、完成した時が嬉しくて!これを(デンハム・ジャパンに)見ていただけた時、オッケーもらった時なんて、もう!めちゃくちゃ嬉しかったですね!


── 手作りのシルバーアクセサリーをどんな人に付けて欲しいですか?

アクセサリーって機能性はないじゃないですか?でもなんか元気出ない時とか、"がんばろう"って気持ちになれたりするように僕は感じていて、そういうものを作れたらいいなって思っています。



COLLABORATION: DENHAM x GRAVER METAL WORKS
滝沢 直文 / TAKIZAWA NAOFUMI
バイク好きから整備や溶接などの技術を身につけ、モノづくりを始める。2015年にGRAVER METAL WORKSを設立し、シルバーアクセサリーの制作を始める。そんな中インディアンジュエリーに魅了され、毎年サウスダコタ州のスー族の下に行き、インディアンの伝統を学び、インディアンジュエリーの制作を始める。
  • PREV
  • NEXT